2007年6月23日土曜日

災難

車検が切れるので、お気に入りの車だけど手放す事にした。確かにデュークと一緒に乗るには狭い車だったけど、いつも大人しく膝の上で寝ていてくれたので、密着できる幸せな時間でもあった。

今度の車は完全にデューク主体で選んだ(そして、お財布にも優しい)。これでもっと遠出ができるようになるかな。

新しい車がまだ手元にこないので、しばらく車の無い生活。だから週末なのに、ドッグランにも行けなくて、飼い主2人で早起きしてデュークとお散歩をした。

そして夕方も、近所をお散歩しようと2人と1匹で出掛けた。
アイリッシュ・セッターを飼っているお宅の前を通りかかった時、いきなり門の中から大きなオスが飛び出してきてデュークに襲いかかった。何もしていないデュークに吠えて噛み付く。飼い主♂はリードを持っているのでデュークをかばいながら撃退を試みるも、なかなか思うようにいかない。飼い主♀はセッター首輪をつかんで引き離そうとしたが力と勢いに負けてしまう。デュークは逃げようにもリードが短いし、噛まれても反撃も防御もできない。相手は気が狂ったようにガウガウと唸り、攻撃をやめない。噛まれながら逃げまどうデュークに引っ張られるリードをどうにか手首から抜いて飼い主♀に託し、飼い主♂がセッターを取り押さえ門の中に押し込んだ。

どの位の時間、戦っていたのか‥恐怖と怒りで身体が震えた。デュークは今まで聞いた事もない低い声で「ウォー、ウォー」と泣いた後、目は宙を見つめ放心状態になってしまった。「大丈夫だよ、もう大丈夫だから」と抱きかかえて、その場を離れた。

腰の傷から出血している。他にも何ヶ所か噛まれているが普通に歩けるようなので、そのまま動物病院に向かった。3~4歩ごとに立ち止まり顔を摺り寄せてくるデューク。「頑張って、歩いて!早く先生に診てもらおうね」と励ましながら、引きずるようにして連れて行った。

縫うほどの深い傷はなかったが、ショックで体温が異常に高くなっていた。濡らしたタオルでデュークの全身を覆い、保冷剤をのせて体温を下げている間、「飼い主さんは噛まれていませんか」と先生に聞かれた。そういえば、あっちこち痛いけど噛まれてはいない。あざ、擦り傷、引っかき傷があるけど、聞かれるまで全然気づかなかった。



「こんな所を噛まれるなんて、相手はかなり大きい犬ですね。もう少し上の方だと、肺に穴が開くので危険です」と先生。「デューク君は相手を噛まなかったの?」と看護婦さん。「反撃もしないで泣きながら逃げていました。」「そう、優しい性格だもんね。1回くらい噛んじゃえばいいのにね」

そういえば、デュークは今まで一度も他の犬を噛んだ事がない。ドッグランで何度も噛まれているけれど、噛みかえしたりしない。甘噛みも飼い主に対してだけ。

今までドッグランで噛まれたのは遊びの延長で、興奮しすぎた犬がつい本能で歯をたてたのだと思っていた。でも今回はお散歩してたらいきなり!デュークのどこがそんなに気に入らないの?何で噛むの?デュークは何もしていないのに、吠えてもいないのに、何でいきなり?

飼い主がついていながら守ってあげられなくてゴメンナサイ。3週連続で辛い目にあっているデューク。頑張れ弱虫くん。