駅まで旦那様のお迎えに行く事にしました。昼間は暑くてお散歩もできないから、この位の時間がちょうどいいと思ったのです。
途中、ジャックラッセル・テリアを連れた男の人がいたので、道の反対側に移動したのですが、やっぱり吠えられてしまいました。ジャックは苦手、吠える犬は嫌いなデュークは無視して逃げるように通り過ぎました。その犬をよけるように大回りをして左折して、駅前の大通りに出たのに‥。
いきなり自転車で後ろから追いついて来ました。デュークの真後ろで吠え立てるので「やめて下さい!」とその男性に叫んだのと同時でした。飛び跳ねて後ずさりしたデュークの首輪がスルリと抜けて、猛スピードで走って逃げてしまいました。バス通り、駅前の人ごみ、踏み切り。交差する2車線の道を横切り見えなくなってしまいました。
後ろではジャックが吠えている、私はデュークを呼びながら駅前を走っている、興奮したデュークは車やバスの前を滑って転んだりしながら走り回って、またどこかへ見えなくなってしまう。生きた心地がしませんでした。
駅構内の車がこない場所にしゃがんで、できるだけ落ち着いた声で「デューク、おいで」と呼ぶと、私の前を2回猛スピードで通過した後、戻ってきました。首輪をしていないので抱きかかえるようにして捕まえました。
たくさん人が集まってきました。近くにきた人にお願いしてデュークに首輪をつけてもらいました。「踏み切りの向こうを走ってましたよ」いつもは踏み切りが怖くて渡れないのに‥。「バスの前を走ってましたよ」「バスでよかった、普通の車だともっとスピードが出てるから轢かれてたでしょう」いろんな目撃情報を震えながら、デュークをダッコしたまま聞きました。「きれいな犬だから飼い犬だと思いました」いまどき野犬なんていないでしょう。「胴輪じゃなければだめですよ」はい、引っ張り防止のタスキがけになっている首輪をしていました。でも、「よけたのに追いかけてきて、吠えられて、逃げちゃったんですぅー!」意味不明の私の言い訳に「向こうで吠えられていたね」の声。そうなんです、デュークは悪くないんです。ただ少し弱虫で、吠えられるとビビってしまうのです。良かった、車にはねられなくて。良かった、電車にぶつからなくて。良かった、無事に帰って来てくれて。もうダメかと思ったから‥ホント、良かったぁ。
デュークの脚に擦り傷がいくつかありました。余程疲れたのでしょう、ずーっと寝たままです。
もうダメ、車にはねられると絶望した気持ちの反動で、ジャックラッセル・テリアを連れていた人に腹をたてています。もう怖くて、心配でデュークを外に出せません。大声で騒いだので恥ずかしくて、もうあの駅には行けません。本当にもう、あんな思いはしたくありません。